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文理融合複数教員による出前授業やワークショップ活動

旅のしおり「京からはじまる、まちの新しい歩き方」

プランその2:京都の水と緑に出会う
       〜自然に囲まれた京都のまち〜

京都は水の宝庫。地下には豊富な水が埋蔵されているといわれています。京都で磨きあげられてきた京友禅や京料理、さまざまな伝統工芸品に代表される京都の文化は、こうした豊かな水
に支えられてきたともいえます。

また、近世における高瀬川、近代における琵琶湖疏水は、舟による物資運搬、後者では発電などの水力の活用を通じて、京都のまちの発展に大きな役割を果たしました。おいしい水、きれいな水、文化的な水など、さまざまな視点から京都と水とのかかわりを探ってみませんか。
       

京都は緑の宝庫でもあります。京都の中心部をとり囲むように、吉田山、船岡山、雙ヶ岡という三つの小山があります。さらにその外側には東山(比叡山、大文字山など)、北山(鞍馬山、貴船山など)、西山(愛宕山、嵐山など)が峰を連ねています。

京の夏の風物詩「五山送り火」はもちろん、初夏の青もみじや秋の紅葉を楽しむ行楽地、あるいは信仰の対象として、京都の人びとは山を身近に感じて暮らしてきました。三つの小山をめぐり、その山頂からまちを眺めつつ、京の歴史に思いをはせてみては?

水・緑とくれば、野生の動植物。貴船神社は名水だけでなく樹齢1000年の杉で有名ですし、鴨川ではさまざまな動植物を見ることができます。野生のカモはもちろん、ユリカモメにもあえるカモ。

地図で見てみよう

マークをクリックすると、クイズや耳寄り情報が出てくるよ。
<地図上の目的地にある「★◆◎」のマークの解説>
 ★:まち歩き指数…「まち歩き」のしやすさ、組みあわせやすさ
 ◆:京都影響度… 京都の歴史や文化に与えた影響度
 ◎:京洛の“うちそと”… 平安京(古代)・洛中(中世以降)
               ・田の字地区+御苑(現代)の内側か外側か

興味のあるテーマを見つけたら、 マークの数を参考にして足を運んでみよう!
目的地に着いたら、地図に書いてあるクイズや歴史をひもとく「モノ探し」に挑戦してみよう!
 

コラム:京都と防災

「京都は災害が少なかったから千年の都だったのではないか」といわれることがありますが、じつは京都は多くの地震や火災に見舞われてきたことが記録に残されています。『平家物語』や『方丈記』に記されている1185年の文治地震や、『言経卿記』や『日本西教史』に記述のある1596年の慶長伏見地震がよく知られています。また、文治地震の8年前には「太郎焼亡」ともよばれる「安元の大火」で平安京の3分の1が焼失したほか、幕末の「蛤御門の変」のさいの「どんどん焼け」でも市街地の半分以上が焼け、その後の復興には多くの苦労がありました。

京都の中心地は、鴨川の東側の花折断層帯をはじめとする活断層にとり囲まれています(地図上の赤い線)。京都周辺のいずれかの活断層でこの先30年のうちに地震が起こる可能性は約5パーセントです(2016年の熊本地震と同程度)。貴重な建造物や文化財が多く、観光客も多い京都でどのような地震対策を講じるべきかは重要な問題です。

     
京都周辺の活断層(産業技術総合研究所活断層データベースの図に加筆)